春から学ぼう!“酸味”のコト 第3回(全5回)」

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 味加減のことを「塩梅(あんばい)」といいますが、これは塩味と酸味(梅の酸味)のこと。古来より、酸味と塩味との調和がおいしさの大切な要素だったのです。

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酸味と塩味や甘味はお互いの味を和らげる効果があり、調味の隠し味として酸味(酢)は重要な役割を果たします。

実際には砂糖が多量に使われている料理でも酸味が加わることで食べやすくなり、逆に酸味が強い料理に甘味が加わると酸っぱさが和らぎます。

甘酸っぱい料理は、お互いの味の魅力を引き立てあっているのです。また、多くの清涼飲料水では、甘味とともに酸味がつけられ、清涼感を醸し出しています。

 

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 酸性の度合いを表すものにペーハー(pH)があります。7が中性、7より小さければ酸性、大きければアルカリ性です。

 

どんな食品にもそれぞれに固有のpHがありますが、一般に、おいしく感じられるのは弱酸性のpHが4~6の間で、pH8になると味がぼやけ、pH3になると酸味を感じるようになるといわれています。

酢のpHは2.5~3.5、レモンやスダチやカボスなど料理に使われる酸味の強い柑橘類の天然果汁もpHは2.5前後と強い酸性です。これらを料理に少量加えることで、料理全体のpHが下がり、驚くほど味がしまって感じられるのです。

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ところで、食品にはさまざまな色素が含まれていますが、天然色素の多くは酸やアルカリによって色が変化し、食品の見た目に大きな影響をおよぼします。

梅漬けで使うシソの葉は梅酢で真紅になり、ミョウガやショウガを甘酢に漬けておくと美しいピンク色になります。これはアントシアンという色素が、アルカリだと青色、酸性だと赤色になるためです。

ほとんどすべての野菜に含まれるフラボノイドという色素は、アルカリ性では黄褐色、酸性では白色になります。カリフラワーを茹でるときに酢を入れると白く茹でることができます。

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