「春から学ぼう!“酸味”のコト 第1回(全5回)」

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 独特の酸味がさわやかな食味を生み出す酢は、その多様な働きから調理の過程でさまざまに活用されていますが、最近ではその健康効果が注目されています。酸味と酸味調味料「酢」が作り出すおいしさの世界を探ってみました.

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 伝統的な日本料理の「なます」は魚介類などを刻んで二杯酢などで和えたもの。海外でもすっかりポピュラーな寿司は、魚介類と酢飯との組み合わせです。

長く肉食の習慣のなかった日本では、魚介類が一番のごちそうとして尊ばれました。そのため、魚介類の生臭さを消したり、保存性を増すなどのさまざまな働きを持つ酢が、魚介類の加工や調理の際に経験的に利用されてきたのです。

また、酢は酢味噌や二杯酢、三杯酢、甘酢、土佐酢など、さまざまな合わせ酢にすることよって、淡白な味の日本料理に多様な風味を添えてもいます。

 

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 西洋でも、ヴィネガー(酢)は、スパイスや塩と並んで魚や肉料理に重要な役割を果たしている調味料であり、古くからピクルスなどの保存食に用いられています。また、サラダドレッシングをはじめマヨネーズ、トマトケチャップ、ウスターソースなど、各種ソース類のベースにも使用され、酢の酸味が味にアクセントを与え、保存性を高めてもいます。

洋の東西を問わずに幅広く調理に用いられている酸味調味料の酢ですが、スダチやカボスなどの果実の汁や梅干しの酸味なども多くの料理で利用されています。

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