【更新】「食欲」に関するインタビュー

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今回、インタビューに応じていただいたのは、摂食行動をコントロールする神経ぺプチド「オレキシン」を発見した櫻井武さん(金沢大・教授)。味覚は、食行動の一環ということもあって、今回、櫻井先生には、「食行動」を軸に、ご説明いただきました。気さくな櫻井先生のお人柄がにじみ出る楽しいインタビューになりました。

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 オレキシンは、視床下部の神経細胞により生産され、覚醒や摂食行動を促進し、空腹時には、食欲を生み出すために覚醒を高める働きのあることが明らかになりました。

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斉藤:櫻井先生の(以下、櫻井)著書「食欲の科学」の中で、“動物が食事を摂らないでいる時間が長くなり、体内のエネルギーレベルが下がると、活動量が増えていく“といった箇所があったかと思います。

櫻井:そうですね。

斉藤:エネルギーが足りなくなっていくと、活動量は減っていくような気がしますが・・・。

櫻井:じっとしていると餓死してしまいますよね。それよりも、覚醒レベルを上げ食物を探しに行った方が生存戦略としては正しいはずです。

斉藤:だから、お腹が空いていると、なかなか寝れないのですね。

櫻井:「覚醒する」ことは、摂食行動にとって非常に重要なファクターであり、それに関与しているのが、『オレキシン』なんです。

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斉藤:先生の著書に、“ストレスは食欲を抑制する”と書かれた箇所がありました。個人的に、ストレスがたまった時には、ついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまうことが多いのですが…。

櫻井:それは、“ストレス”ではありませんね。ストレスを受けると、食欲メカニズムは、『食べない』方へ向かうんですよ。もう少し詳しく説明しますね。精神的、肉体的なストレスは『情報』として神経を伝わり、視床下部室傍核に到達します。そこでCRH*、ACTH*と順に分泌があり、最終的に副腎皮質ホルモンが増加します。これにより、糖代謝をはじめ、蛋白質や脂質代謝が抑制されます。また、胃のぜんどう運動も抑制されます。結果、『食べない』といったことになるのです。

斉藤:なるほど。では、私が考えていた“ストレス”は、ストレスとは呼べないんですね…。よくよく考えてみると、たしかに笑

櫻井:残念ですが、そうかも知れません笑

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※食べすぎないための5ヵ条

櫻井:普段から、水分を多くとるように心がけた方が良いですね。水分摂取により胃が伸展します。そうすると、食欲を高めようとする『グレリン』の分泌が減少し、食欲の抑制にもつながります。

斉藤:ではさっそく、本日の夕飯から、そうすることを心がけます。

櫻井:よく噛んで、存分に味わって下さいね。

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